最高の欠陥バイク④ 三宅島EDレース(本戦) [フリル (FREERIDE 250R)]
欠陥シリーズ 第4弾 (シリーズ全てで1つの記事です)
最高の欠陥バイク ①
最高の欠陥バイク ②
最高の欠陥バイク ③
レース当日
仮眠を済ませバイクが降ろされている第一パドックへバス移動
既にコンテナから出され整然と並んでいる
ここからレース会場までは白バイの先導で閉鎖された公道を自走移動
参加者のほとんどがナンバーの無い競技専用車両
公道を走るなど考えられないが、お上のお許しがあれば話は別だ
移動に向けて暖気を始める各参加者
もちろんオイラもエンジン始動・・・・
チョークを引いてセルボタンを押す
使ってたリチウムからしたら容量不足な鉛バッテリーとは言え
新品フル充電済みの純正品
3回程のキュルキュルで掛かった!!!
・・・・早速漏れだすクーラント・・・。
どうしようもないんで見なかった事にwww
十分な暖気を済ませエンジンを止めた
公道封鎖と白バイの準備を待ちつつ開場移動の為整列する参加者
よっしゃエンジン始動・・・・・エンジン・・・始・・・ど・・・う?
掛かりませ~~~~ん
暖気は出来てるのに掛からない
いくらセルを回しても掛からない
どんどん弱まっていくバッテリー(後で解るが掛かる訳が無い)
終いにはバッテリーの電気を使いきる・・・。
オロオロしながらわたるちゃんに駆け寄り
どぉぼじよぉぉぉ
押すのを手伝ってもらい奥の採石場? への坂を押し登り
下る勢いでクラッチ繋いで始動!!!
良かったぁ~
充電を兼ねて掛けっ放しに
・・・・ポタポタポタポタクーラント
見ない、見てない、気にしな~い
列に並ぶと移動の注意事項的なアナウンスがされるので皆エンジンを止める
・・・・ここで止めたら絶対掛からん
端っこに隠れ迷惑承知で掛けたままに
アイドリングでは低すぎるが
ブワンブワン吹かす訳にはいかない・・・
出来るだけ低い回転で・・・・・プスッ・・・・止。。。。
アカ~~~~ン やってもうた、、、
微々たる充電ではやっぱ掛からない。。
また掛かんない
と愚痴を言いに行くオイラ
白バイの先導で続々と会場へ向かう参加者達
その流れに逆らって後方へ押し歩く切ない背中・・・。
公道を封鎖しているので設定時間内に全員の移動を完了しなければならない中
1人トコトコとお山に向かい歩く不審者・・・不審者ちゃうわぁ!
マーシャルの人にどうしたのかと聞かれ
バッテリーが上がってエンジン掛かんないんですぅ
マーシャルの人達に押してもらいエンジン始動!!!
やたっ!
残ってる参加者はもう居ない・・・。
急ぎ後を追う・・・
明らかにバツの悪い表情www ってか撮られたのね!
プワァ~~~~~~~~ン
ナンバーの無いフリルで知らない道(公道)をたった1人で走るオイラ
道が解らんくて不安だが沿道に立つスタッフや道を封鎖するパトカーを頼りに進む
前も後ろも誰も居ない道・・・これはこれでちょっと快感かも
しかし当然ながら道はターマック・・・新品ゲコタが削れる
数キロを独り走り続け会場到着ちょい前で最後尾に追い付いた
会場は脇を下った先で、コース横にはピットエリアも作られてるが
ブリーフィングの為に一時この広場に待機
数キロ走って多少は充電されただろうが
1度空っぽになったバッテリーだ
出来るだけ回復を図りたいので後方に少し離してアイドリング・・・
減っていく冷却水が不安だがエンジンは止められない
ピットエリアに移動
辰巳で預けた荷物の入ったダンボール箱とガソリンタンクが置かれている
・・・雨降ったらどうなるんだろう???
垂れまくったクーラントがアンダーガードに溜まってる・・・。
150分の長丁場なレースに備え
荷物に入れてあるお水を給水、ガソリンを満タンに
この後開会式の為に皆上に戻るが
オイラはひたすらエンジンを掛けて充電
レースを前に1周のサイティングラップが
初めてなので走っておきたいがゴタゴタしてたら着替える暇も無かった
結局サイティングラップの〆切りまでにコースイン出来ず
仕方ないので万全を期す事に注力
ドコから漏れてるか判らないラジエーター下部に
焼け石に水と思いつつも液体ガスケットをベタベタと塗ったくり
再び給水、給油
しかしまたエンジンが掛からない
冬季の始動性が悪いとは言え
十分暖まってる状態で掛からないって何?
おかしい、度重なるクランキングでプラグがカブってるのかも?
とタンクを外しかけたところでセルを触ったら始動!!!
ん~~~~???
もはや症状が謎すぎる????
サイティングラップが終わり間もなく本番!
スタート位置へ移動する時間になった
皆がスタート位置へ移動を開始
後方に控えるこの人達は・・・・・・神様?
着替えを済ませエンジン始動!!!!・・・・・・・・・・・・掛からん。。。
参加者が続々とピットを出て行く中
火が入る気配が無い。。。。
プラグも新品
最近はエンジン1回掛ける度に新品に交換って位の頻度
エアクリも綺麗、、キャブのジェットも洗ってる・・・不調の理由が解らない???
どうして良いか判らずスタート位置の方へ押し歩き
押し掛け出来そうな位置を探すが
ほとんどが草地か溶岩・・・普通に押すのも苦労する
諦めてセルを押し続ける・・・
スタート地点に向かうお友達の S さんが気付いて止まってくれたが
そのせいで草の塊だった地面にバイクが埋まってしまった
うわぁ~ 迷惑かけちゃってる どうしよう
オロオロしてると
なんとか脱出してくれたので「構わず行って下さい」と告げ見送る
FREERIDE 250Rのバッテリーは完全に空に・・・
最後の一足掻き!
ちょっとでも回れば掛かる可能性があるので (だからそんな可能性は無いんだよ)
僅かな電力を使い キュキョ 休んでは キュキョ また休んでは キュキョ・・・・
ダメだ・・・完全にスタートする事を諦め見学場所を考え始めたが
振り向くと開会式をおこなった小高い丘が!
あの坂を下って始動出来れば何とかなるかもしれない
スタートラインに揃ってゆく参加者達の流れを横に
後ろの丘へ押しゆく悲しい背中・・・
つい先程、どっかで書いた様なフレーズだww
最後方で待機してレースのスタートを待っていたマーシャルの人が
オイラの姿を見て全てを察する!
第一パッドクで押してくれた人たちだった!!!
同時に後方ではレースがスタート!
コースはモフモフの溶岩地帯
タイヤを取られて押し掛け出来ないと見て
一緒に丘の上まで押してくれた
何から何までお世話になりますぅ~(感謝
遠くに聞こえる爆音を背に坂を上る・・・
さぁ、頂上だ ギアを3速に入れ
坂を転がり降りる・・・・・・・
プワァ~~ン!!!!!!!!!!!!!
いよっしゃぁ~~~
既にコースに参加者の姿は見えない
ピット脇のホームストレートをフルスロットルでカッ飛ばし左へ曲がるコースを確認!
減速の為にリアブレーキを踏みこんだ!!!
スカ~~~~~~!!!
足に伝わるフニャっとした踏み心地 1個前記事の一部をコピペw
ん?・・・・制動感が全く感じられない???
この辺全体にモフモフした細かい溶岩粒地帯
うわぁ~ 細かい溶岩ってこんな感触なのか?!
ブレーキ全然利かないやん! 止まんない止まんない止まんない!!
アクセルを戻しフロントを触れる程度だけ引き
地面との抵抗に任せつつ、減速してくれと祈る
大周りにはなったが何とか曲がれた
再びスロットルを吹かし加速
今重要なのは死んでもエンストだけは出来ないって事だ!
バッテリーはほぼ空、レースを続ければコケたりエンストしたりする場面は来る
それまでに少しでもバッテリーに電気を貯めなければ!
完全に暖まりさえすればエンストしたとしても再始動は出来るだろうが
今止まったらもう掛からないと思う
次のコーナーだ! 直角の右コーナー
リアブレーキを踏む・・・・・制動感無し 踏み心地も・・・無し
路面の問題じゃない!!!
これはリアブレーキ全く利いてない!!!
嘘だろ・・・
何度もブレーキペダルを踏むが僅かに感じる抵抗は
リターンスプリングのそれだけだ・・・・。
ふと脳裏に浮かぶ辰巳埠頭での車検・・・
あの時車検官が ??? な感じでリアブレーキを触っていたのは
リターンスプリングの強さによる他車との違和感などではなくて
そのまんま これ利いてる ??? のクエスションマークだったんだぁ!
気付かなかったぁ~
前回乗った時は利いてた筈だが・・
普段乗れてないだけに手で触っただけじゃ
リターンスプリングが強いんで抵抗感じゃ判らんかった。。。
言い訳じゃないがトラブル多すぎて全く気が回らなかったわ
何だろ、エア噛み??
・・・ヤバい。。。
サーキットでもワインディングでも
舗装路でオイラが使うのはほぼ100%フロントブレーキ
しかしオフ路は違う!
80~90%がリアブレーキ
死んだリアブレーキでオフロード走行、しかもレース
無理・・・絶対無理や・・・。。。
フロントブレーキが使えるのは直線や限定的な場面だけ
車体が傾いた状態での使用は即転倒につながる・・・
トップライダーの人はどうだか判らんが
オイラレベルのライダーのにとって
オフ路でのフロントブレーキは制動装置ではなく転倒装置!
実質ほぼ制動装置無し状態!!!
どうしよう・・・
とは言え制動力が 0(ゼロ) と云うわけではない
1: 限定条件下のフロントブレーキ
2: エンジンブレーキ(2ストだけど)
3: シフトロック
4: 故意のエンストロック
5: 抵抗値の高い路面へ突っ込む
6: 足擦りブレーキ
7: 両手を広げてバンザイ(エアー)ブレーキ等々
心許無いながら方法はある!
まぁ、完璧な状態を 100 とするなら
・・・ 15 、、良くて 20 といったところだろうが・・・。
平地や上りは何とかなる
直線でブレーキを掛けバンク中の制動は法度!
しかし下りが怖い
全くブレーキが使えないダウンヒル・・・考えただけで泣いちゃう
とにかく慎重に走るしかない・・・が。。。
別の問題が・・・・
コースが判ら~ん!!!
普通のEDレースのコースって
立木や杭の間を専用のテープで結んで示されているんだけど
ほとんどが溶岩台地の三宅島では
地面に直接貼られたテープでコースが示されている
それだけなら問題無いがこの日は
レース時間が短縮される程の強風、風速は台風並みだ
貼られたテープがそこらじゅうで切れてなびいている
サイティングラップが出来てないので完全初見な上に
独り遅れてスタートしたので指針になる前走者が誰も居ない・・・。
1周目だけにタイヤの跡も少なく、目印が無い。。
ドコを走れば良いんじゃ~~~~~い
リアブレーキが利かなくて走る場所も判らない
笑うしかないわwwwww
そんな中必死になって進む
溶岩台地はそこそこ行ける
路面の抵抗値が高いんでアクセルワークで車速がコントロールできる
しかし土が下地の裏の草原地帯は何気に難しい・・・
開けられるんだけどコーナーが多い
直線部分で完全に減速しないとイケないんで
傍から見ればこいつ減速し過ぎぃ って思われたと思うw
前も後ろも
ブレーキが要らないんだから上りだけは超余裕
でも上ったら必ずその分の下りが
下りは怖いよぉ
普通ならこんな所は問題無い
みんな普通に下って行く
しかし
オイラはへっぴり腰
恐怖と不安の中
なんとか1周を走り戻ってくるが
最後の最後で崖下り・・・
こんな所
リアブレーキが使えればなんて事は無いが
しくしく
ここをフロントブレーキだけで下るのかぁ・・・
傍から見たら・・・・
初めて階段を下りる仔犬?
チコちゃん ハウ~ン
バンジーにビビるバラエティータレント?
高所恐怖症で泳げないのに立たされた飛び込み台?
どんな姿に見えるだろう・・・
余りにも情けないノロノロ走行
誰が見てるねんって話だが
「び、ビビってねぇし
リアブレーキが壊れただけだしぃ」アピールで右足を上げて坂を下るオイラwww
そこを下りた時、同時に何とかなるんじゃね?! って
もちろんまともには走れない
んが、注意する場所さえ抑えれば何とか周回する事は出来そうだ
幸い抵抗値の強い溶岩台地
アクセルオフ時の減速幅は大きい
コーナー前ではしっかり減速
車体を立ててハンドルを真っ直ぐに固定しフロントチョン掛けで下る
精神を削る・・・ちょっとでもミスればコケる。。。
1周半程走って徐々に冷静に
フルードが漏れてた様子は無い
恐らくは単なるエア噛み・・・簡易的にでもエア抜き出来れば!
ピットに戻りブレーキペダルを押し下げブリーダーバルブを開く
・・・開く・・・・・・ひ~ら~く~~~~ひ・・ら・・・・かんわ!!
ビクともしない。。。
全く弛む様子は無い・・・眼鏡レンチが折れそうだ・・・
ウギギギギギギギ・・・ハァハァ
なんて硬いんだ
クルン! ようやく弛んだ・・・と思ったら弛んでな~~い
完全に舐めてる・・・サイズピッタリの眼鏡レンチが舐めるって
どんな締め込み方したらこんな事になんねん・・・
ここは新車時から触ってない・・・
って事は普通に考えてKTMの工場で組み立て時に締めすぎた
・・・・としか考えられんな。。。
どんな工具で締めたんだよ
どうにもならない・・・・
諦めてレースに戻り周回を重ねる
不思議なもんで段々とコツを掴んで速いペースで走れる様に!
コーナー手前の超減速と激遅下り以外で頑張るオイラ
もちろん、オイラが速く走ろうが、遅く走ろうが
赤ゼッケンなトップライダーにはバンバン抜かれるんだけどねwww
1位様
2位様
3位様
オイラだって負けずに走る・・・・・が、なんか違う。。
餃子屋さん走る!
健二先生も走る
オイラも走る・・・・・・やっぱなんか違う。。。
本気なレーサーマシンにこそ及ばんながら
何気になかなかの瞬発力があるんだよ
過剰な減速でコーナーで詰められるオイラ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
直線番長www
さすが腐っても2スト250・・・誰が腐ってんねん!
リアブレーキ無しなんて云うハンディがあったからか
その分集中力が高まり残り2周まで無転倒
調子が出てきてカッ飛んでたら
減速が足りないまま曲がりに進入しちゃったり
とか何度かミスったりもしたが
それでもちょいコケ2回だけでファイナルラップへ
気が抜けたのか最後の最後でデッカイ溶岩玉に弾かれ
コース脇のゴロゴロ地帯に転落
「助けて~~~~」 コースマーシャルを呼んで救い出してもらう
何度かエンストする場面はあったが
完全に熱の入った状態では毎回1発始動!
無事・・・と言って良いのか良く判らんがなんとか完走。。。疲れた
台風並みの風で短縮されたレースだったが
ガソリンは余裕でもった!
2スト250なのにこの子の燃費はめっちゃ良い
まぁ、スロットル開けれた時間も少なかったんだけどね
何だかんだで真ん中以上の順位でゴール!
絶対速度が低い代わりにハマらん止まらんは強い!ww
帰りは問題無く第一パドックまで戻り
・・・新品タイヤがぁ~
辰巳での積み込み時
新品タイヤ、特にゲコタなんて履いてきちゃダメ
って言われたのはこういう事だったのかぁ・・・。
会場でお昼ご飯
移動して宴会&表彰式
リアブレーキ利かないで賞!
ってのが無かったので無冠に終わる
くそぉ~
ブレーキさえ壊れなきゃ優勝賞金はオイラのモノだったのにぃ
ってな事を書いてもツッコミ入れるコメント欄が無いけどねw
宿へ戻り就寝
翌日帰りの船を待つ
帰りも橘丸だよ
見えてから接岸までが結構速い
乗船
乗る前にテープ渡されたんで投げてみた
オイラを探せ!
答え!
当時社会問題だったサンゴ密漁船を見ようと
双眼鏡を持っていったんだけど・・・見つからなかったw
さらば 三宅島!
竹芝桟橋に着く頃には真っ暗
ゆりかもめは空いていたが
外人さんがいっぱい乗ってた
辰巳埠頭でマシンを受け取り・・・なんか橋が光ってる?! 東京ゲートブリッジか!
即行積み込んで帰路へ!
さぁ! 時間がないぞ!
翌週は山梨で2014季最後のEDレース!
漏れ漏れラジエターに外れないブリーダーバルブ
超速で修理しなければ!!!
最高の欠陥バイク ⑤ につづく